ドリップコーヒーの入れ方 1 (初級編)

基本さえ押さえれば大丈夫

5分早起きして自分のために淹れる 朝のコーヒー
うれしいお客様に淹れて差し上げる 午後のコーヒー
家族とのひとときに心を込めて淹れる 夜のコーヒー

少し手間は掛かるけれど、自分で淹れるコーヒーは時間を豊かにしてくれます。

あなたも、ぜひ「ちょっとしたコツ=基本」を覚えて、おいしいコーヒーを入れて下さい。コーヒーの時間が、もっとゆったりと流れ始めるでしょう。

簡単な入れ方

コーヒーを入れているときの香りって、心がとろけそうになりますよね。

(1) 【準備】 蒸らし (蒸らし時間は短めに)

コーヒーの淹れ方 【準備】 蒸らし
「のの字」に、注いでゆく(3周くらい)。湯は細く中心に多く注ぐ。
ジワ~と膨らむのを、一呼吸、確かめたら次へ。(本当に一呼吸でいいんです)

[ヒント]

深煎りのコーヒーを濃く淹れたいときはこの段階で、出来るだけ濃い液が出るように、細い湯を少しずつ、連続して注いで下さい。


(2) 【メイン】 泡の拡げ (最初から約30秒後)

コーヒーの淹れ方 【メイン】 泡の拡げ
中心から注ぎ始め、グ~と泡を盛り上げたら、そのまま、大きくポットを回し、泡を全体に広げます。
この時は、少しぐらいなら、湯がフィルターに掛かってもかまいません。 勇気を出してポットを回して下さい。

[注意]

泡があまり上まで、来ないように!
泡の表面に気を取られないで、高さも意識する。
湯が太すぎないようにする。


(3) 【仕上げ】 一定ペースの湯 (2分から2分半で終了)

コーヒーの淹れ方 【仕上げ】 一定ペースの湯
フィルター内の湯を切らさないように、5百円玉位の範囲内に、何回か湯を注ぐ。

湯の水位を上げすぎてはいけないのですが、時間を掛け過ぎると渋みが出てしまいます。

泡が白く大きなものに変わったら、終りです。
この後の出がらしが入ると、いきなりまずくなります。

[ヒント]

迷ったときは早めに止めるのがコツです。

※時間は、あくまでも説明のためです。時計を見ながら淹れる必要はありません。


2つの重要ポイント

(1) 湯がフィルターに掛からないように、気を付けて下さい!
まして、フィルターに付いた粉を、わざわざ洗い落としたりしないでネ!

コーヒーの淹れ方 湯がフィルターに掛からないように
湯がフィルターに掛かってしまうと湯が粉に触れないので、こくが出ません。
粉に当たっていたとしても、ふち近くで、湯の勢いが強すぎれば同じことです。
せめて洗い落とすのをやめれば確実においしくなります。お湯の味がしないので、こくがぐんと増します。


コーヒーの淹れ方 湯はできるだけ、垂直に
湯はできるだけ、垂直に注いで下さい。
後半は、ポットをあまり大きく回さず主に中央付近(五百円玉位の範囲内)に注いで下さい。


(2) 中央の泡の色が薄くなったら、そこで止めて下さい!
せめて、泡が消えているのに、延々と入れ続けるのはやめてネ!

コーヒーの淹れ方 中央の泡の色が薄くなったら止める
写真では分かりにくいかもしれませんが、薄い茶色の泡の真ん中あたりの、ほとんど白い、周りより大きな泡が見えますか?
その泡が「もう止めて」という合図です。

[参考]

粉がすり鉢状に残っているでしょう。
こんな感じで終わるようにして下さい。フィルターに湯を掛けてしまうと、粉が平らになって、残ります。

初めのうちは、タイミングに神経質になる必要はありません。
「今まで、泡がとっくに消えているのに、注ぎ続けていた」のをやめるだけで、あなたのコーヒーは一変するはずですから。


粉の量

  • 粉の量は、お好みの濃さやカップの大きさによって、当然変わります。
  • ごく簡単な目安として1杯分に10g(ご家庭のメジャースプーンで1杯強)程度です。
    ※ところが、単純に1杯分10g、2杯分20gという風にはいかないのです。インスタントコーヒーのように粉を溶くのではなく、味を抽出させる作業だからです。少量作るときは、大量に作るときに比べて効率が悪いのです。

[参考] 覚えやすい具体例

15gからスタートして5グラムずつ増やしていって下さい。

1杯分 → 15g (節約するならもう少し少なくてもOK)

1杯分 → 15g

2杯分 → 20g

3杯分 → 25g

4杯分 → 30g

湯の温度

  • 普通は85度から90度位がいいと考えています。
    沸騰した湯を別のポットに移し替えるとおおよそ90℃になります。
    ※コーヒーは温度が高いほうが、苦みをはじめ味が抽出されやすいのです。
  • はじめは、ある程度、温度が高いほうが確実だと思います。
  • 「苦すぎるな」と感じたら、少しずつ温度を下げてみて下さい。
  • 逆に粉が古くなったりして、「どうも泡の出が悪いな」というときは、温度を上げることで多少カバーできます。

[参考]

ストリームヴァレーがネルで入れるときの温度(80度以下を使うのは難しいですよ)

90度前後 モカマタリ タンザニア 深煎りマンデリン
スタンダードブレンド 等
85度前後 カリビアンブレンド 花どけいブレンド 等
80度前後 ブラジル コロンビア 等
75度前後 モカハラー キューバ 等

摘出時間

  • 合計で2分から2分半位が平均だと思います。(他店より短めかもしれません)
  • 蒸らしに時間を掛け過ぎない方が、良い苦みになると私は考えています。
  • 抽出の後半に湯を注ぐ間が開き、時間が掛かり過ぎると、嫌な渋みが出てしまいます。
  • 泡が薄くなったら、必ずそこで止めて下さい。その後は出がらししか出ていません。

珈琲の入れ方2 【中級編】はこちら